浴室窓を塞ぐリフォーム工法解説!
更新日:2025.07.28
浴室リフォームを専門に行う『KANSAIお風呂リフォーム.com』には、浴室リフォームを機に『浴室窓』を撤去して塞いで欲しいというご要望が寄せられます。主なお客様からのお声は、『浴室窓はお掃除がしにくいから撤去したい』、『新しいユニットバスで新たに浴室換気暖房乾燥機を付けるから換気用の窓は必要ない』、『古い窓で断熱性能が低いから冬場の寒さの原因になっている』等々のニーズが挙げられます。
お客様に知っておいていただきたいのは、この『浴室窓を塞ぐリフォーム』は既存の浴室の解体から新しいユニットバスルームの組立までの期間で完了させてしまいたいということです。新しいユニットバスの組立後でも同工事が不可能という訳ではありませんが、その場合は新しいユニットバスを傷付けたり、浴室側から施工出来ないことで、工事のロスを見込まなくてはなりません。
つまり、『浴室窓を塞ぎたい』というご要望をお持ちのお客様は、浴室リフォームをご相談いただくタイミングでお話いただくのが工事価格的にも、短い工程で完了させるためにも大切になります。そのためにも是非こちらのコラムで『浴室窓を塞ぐリフォーム』についての予備知識をお届け出来れば幸いです。
『浴室窓』を撤去してキレイに塞ぐには?
では、キレイに『浴室窓』を塞ぐためにはどのような工程が必要になるでしょうか?
大きくは『解体』、『大工造作』、『左官工事』、『塗装工事』の4工程に分けることが出来ます。
工期は左官工事や塗装が乾きやすい夏場で最短3日間、乾きにくい冬場では5日間の工期が目安となります。もちろん外壁がサイディングやタイルのお客様には当てはまらない工程にはなりますが、このコラムでは実際のモルタル外壁のお客様の施工事例をもとに、浴室リフォーム時に『浴室窓を塞ぐリフォーム』工法の解説を以下でお届けしたいと思います。
既存浴室窓の解体工事
こちらのお客様はお掃除が面倒な浴室窓を、ユニットバスへのお風呂リフォームを機に『浴室窓』を撤去して、外からも窓があった事を分からないようにして欲しいというご要望でした。
屋外には防犯用の面格子が。こちらも取外して、違和感なく壁を塞いでしまうのが今回のミッションです。
タイル風呂の既存浴室解体後、窓の取外しから始めます。
窓を取外ししやすくするためにサンダーで面格子と窓まわりの外壁をカットします。
『浴室窓』周辺の外壁のモルタルを剥がして既存の窓を固定している木ずりが出てきました。
バールを使ってテコの原理でサッシを引き剥がしします。
キレイに既存サッシを取外しすることが出来ました。
浴室窓を塞ぐための大工造作工事
開口部を塞ぐために27mm×105mmの間柱(通称:三五一)を使って、下地となるフレームを大工さんが造作します。
外壁の下地材には防水性に優れ、次の左官工程のベースにもなる『ラスカット』を使います。ホームセンターでは手に入りにくい材料です。
ラスカットを造作した間柱にしっかりとビス留めしていきます。
浴室側から見たラスカット貼りの様子です。『浴室窓』を塞ぐリフォームの留意点として、ユニットバスルームの組立前にサッシを撤去し塞いでしまうのがベストだということです。ユニットバス組立後に外からサッシを解体し、同じ工程を再現するのは不効率な工事となってしまいます。
外した面格子の跡が残り、ここにも塗装が必要となります。
ラスカットは次工程の左官工事と塗装のために壁よりも10mm程ヘコませた状態で貼り付けしています。
左官による外壁下地工事
ここからは塗装下地を整えるための左官屋さんによるラスカットのモルタルしごき工程に入ります。
まずは接着力のあるシーラー下塗りから始めます。
続いて『ベースモルタル』の中塗りを施していきます。
下地に凹凸がでないように注意しながら、丁寧に中塗りを進めます。
最後は下地面が平になることを意識しながら上塗りして仕上げます。
この段階でもまだ塗装の余地を残した分、外壁より3mm程へこませた状態です。
『ベースモルタル』を完全に乾かすために夏場では1日、冬場なら2日は乾燥期間を設けたいところです。生乾きのまま塗装に入ってしまうと、ベースモルタルが下地のラスカットから浮いてしまい、キレイに仕上げることが難しくなります。
外壁塗装仕上げ
いよいよ仕上げ工程の塗装です。まずは下塗りからスタート。周囲の外壁と同じ色の塗料が断定出来たお客様でしたので、色ムラが少なく仕上げることが出来そうです。
塗料が足元に付かないように養生を忘れずに施します。
今回はより色ムラが目立たないように、予定より広範囲に塗り延ばしさせていただきました。
下塗りが完了です。面格子の跡も隠すことが出来ました。
下塗り続いて中塗り、そして上塗りして塗装工事を仕上げていきます。
上塗りを経てラスカットの跡も目立ちにくくなりました。以上で『浴室窓を塞ぐリフォーム』の解体から壁造作、左官工事、塗装工事までが完了です。浴室窓があったことは、全く分からなくなりました。
※塗装も左官工事と同様に夏場なら1日、冬場なら下塗りと中塗り・上塗りを分けた2日間の工程に分ける方がムラなく仕上がります。工期が延びることでコストが上がってしまうため、冬場よりも比較的暖かい季節で施工を行うのがお得な工事といえます。
【番外編】浴室天窓を塞ぐ
ここからは番外編として浴室の天窓を塞いだ施工事例について
ご解説させていただければと思います。
こちらのお客様は某一流ハウスメーカーで
当時新築されたお客様で浴室も非常に個性的。
自然光の明るさを目いっぱい取り込める浴室でした。
ただ、当社でお風呂リフォームさせていただくに当たり、
TOTOのサザナではこの天窓を残す事は
不可能である事をご理解いただき、
既存の浴室を解体して、
その内側に新しいシステムバスを組立する
内容でのご契約でした。
着工当日の解体は快調に進める事が出来ましたが、
壁パネルを剥がす過程で
大きな問題を発見してしまいました。
なんと天窓から少量ではありますが
漏水が発生しており浴室の床も
湿ってしまっている状態でした。
急遽屋根に上がって怪しい箇所に
防水コーキングを施しましたが、
お客様もショックで根本的な解決について
当社の意見を求められました。
俗に天窓は当時のコーキングが経年劣化する中で
割れや隙間が出来て漏水しやすいと言われますが、
当社からのご提案は天窓そのものを
上から大工造作し板金工事を行う事で
完全に塞いでしまいましょう、とお伝えしました。
こちらのお客様はお風呂のリフォームの後に
外壁屋根塗装も予定されており、
足場が架けるご予定だったのも好機と考えました。
その後お風呂のリフォームは予定通り進める中で、
ご検討いただいていた天窓を塞ぐ工事についても
正式にご依頼いただく運びとなりました。
塗装工事で足場を架けていただいたタイミングで
先行して当社の工事を進めさせていただきました。
まずは窓を塞ぐための下地フレームを大工造作します。
続いて断熱材をはめ込んで太陽光対策します。
天窓がそのままであれば夏の日差しが
直接新しいバスの天井パネルに当たる事になったので、
耐久性の面からもこの機会に天窓を塞いでおくのは
将来に向けてのご英断だったと思います。
続いて構造用合板でしっかりフタをし、
板金の貼るためのベースを仕込みします。
構造用合板の上には防水用のルーフィングシートを貼ります。
念のため2重貼りで施工させていただきました。
ここで板金で全てをカバーさせていただき、
もちろん防水コーキングも打たせていただきました。
最後に屋根塗装と一緒に遮熱塗料で
塗らせていただき仕上げです。
レアケースではありますが、
浴室窓を塞ぐリフォーム工事のひとつとして
ご参考いただければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました。